貸し金による利益
一つには、出資した仲間のうちの1人に、貸してしまうという選択肢があります。お金を借りた仲間が、それを元にして商売を開始し、儲けたお金で元金に利子をプラスして借金を返します。仮に利子が20万円とすれば、返済総額は、120万円となり、それを出資した10人で割れば、ひとりあたり12万円ですから、仲間の1人にお金を貸すことによって2割の利益を得たことになります。ただし、このケースでは、借りた人が利子を付けてお金を返してくれなければ丸損ですから、その人物が信用に足るものであるかの見極めが最大の要素となります。これを「信用リスク」と呼びます。
保険による利益
最後に、出資者10人の中で最初になくなった人間の家族に100万円全額を与えると決めることも出来ます。この場合、残り9人は10万円が丸損になってしまいますが、出資した時点では誰が最初になくなるかわかりませんから、確率という点で見ると平等ということになります。ここでピンと来る方もいるでしょう。そうです。これが生命保険の原型となっています。
保険と宝くじの性質は異なるが仕組みは同じようなもの
宝くじと生命保険の違いを考えると、宝くじの場合は当選すると大変嬉しいですが、生命保険の場合「当選」したひとは、亡くなっているか、病気になっているか、交通事故に遭遇しているか、自宅が火災で焼けてしまった、などとにかく不幸な目に遭っているということです。このことをわかりやすく説明すると、同じ宝くじの仕組みをお金儲けに使用するとギャンブルになるし、リスクヘッジに使用すると保険になる、ということです。
投資による利益
みんなから集めた出資金100万円で、投資することも出来ます。投資先は株でも不動産でも競馬でも何でも良いのですが、たとえば「金取引」をしたとしましょう。金の価格が2割上がれば、出資者も又2割の利益を得ることになります。これは、ファンド(投資信託)の仕組みと同じです。この場合、金の市況が悪くて2割値下がりしてしまうと、出資者も2割の損失を被ることになります。これを「市場リスク」と呼びます。
生命保険は宝くじのようなもの
さて、上記の金融機関を設立する仮想ゲームによる、「保険による利益」のリスクはどこにあると思いますか? 実は、上記の条件ですと保険には何のリスクもありません。100万円を金庫などに入れて大事に保管し、誰かが亡くなったらそれを与えるだけですので、外部要因で支払金額(保険金額)か変化するようなことがないためです。
生命保険=宝くじ
さて、勘の良い人はここまで何かに気づいたかもしれません。こうした保険の理屈は何かに似ていませんか? そうです、宝くじです(※一部の保険関係者などに、保険はギャンブルみたいなもの、というと激しく反論する方もいますが、その仕組みだけを見ると、宝くじに大変似ています)。 宝くじの場合、みんなからお金を集めておき、決められた数の当選者に、それを分配します。100人からひとり1万円ずつ100万円集めて、当選者が20人だとすると、当選金額は5万円、当選確率は5分の1(2割)ということです(ここでは経費などを考慮していません)。


